温泉

言い伝えによると、傷ついた熊が天然温泉で足を癒しているのを見つけたのが最初の温泉の発見と言われています。村のあちこちにある外湯は、村人たちに暖かさや快適さ、衛生面を提供しただけでなく、安定した生活の源でもあったのです。一般的に、雪国の村では、冬になると男たちが街へ職を求めて人口が一時的に減少しますが、野沢温泉では、豊富な温泉水を活かして、籠編みなどの冬の産業が行われ、一年を通して集落が保たれていました。そして200年以上前、野沢温泉村へ、様々な地域から人々が憩いの場として訪れるようになり、観光産業が誕生したのです（男女別の入浴は20世紀にはじまりました）。

現在では、温泉は国内のお客様を惹きつけるだけでなく、地域の基幹的な存在であり続けています。村人の多くは、一日の終わりに近所の人たちと顔を合わせ、噂話をし、交流を深めるために、地元の温泉に入ることを今でも好んでいる。世界中からやってくるゲストがその体験を共有することを誇りに思っている。ただし、冷たい水道の水を出しっぱなしにしないように...。